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V)心電図の乱れの解析
心電図波形の観察によれば、その波形は必ずしも一定してはおらず、微妙に変化していることがわかる。そこで、この変化を明確に表現するために、心臓の活動電位ベクトルを位相面上にプロットした。
図2.2.3-26は、心電図の位相面表示である。図の横軸は、心電図の活動電位(ECG)を表し、縦軸は、その時間微分を表す。(但し、具体的には差分をとる)図に示されるとおり、動揺暴露中は心臓の活動には乱れが現れることがわかる、一般に、酔いの発症者にこの乱れは大きいものの、図の例に示されるように、酔いを発症しない場合でもかなり乱れることがわかる。
この乱れを解析する方法は現在のところ存在しないが、この乱れを活動電位ベクトルが1心拍当たりに位相面上で囲む面積の乱れとして、面積の平均の時間的推移および平均周りの分散に時間的変化を求めた、結果の一例を図2.2.3-27に示す。図より、酔いを発症した被験者の場合には、平均的な心臓の活動の変化は殆どないものの、活動の変動の分散はかなり大きくなることがわかる。

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図 2.2.3-26 心電図の位相面表示の例

 

 

 

 

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